奄美まるごと きょら織り館

奄美まるごと きょら織り館

2月26日  奄美大島にある「本場奄美大島紬協同組合」にて「大島紬と奄美のこれから」についての座談会が開催されました。

参加者は京都からNPO きものを着る習慣をつくる協議会理事長 中塚一雄氏  地元は協同組合組合専務理事  山田伸一郎氏  青年部会長 南信吾し氏 組合青年部   紬愛好会「紬んちゅの会」代表 新島美加代氏   他会員  街づくり委員会  奄美大島観光協会会長 斉藤正道氏  奄美テレビ放送専務取締役 山元勝己氏  奄美市商工観光部紬観光課主事 福山祥子氏 総勢17名の参加。

司会は青年部会長の南信吾氏。

議題その一、大島紬の価格について。

生産地卸の価格に対して、小売店の価格に大きく開きがあり、消費者の信用不安が生じていること。将来的には産地希望小売価格が表示出来るかどうか。

NPO きものを着る習慣をつくる協議会理事長の中塚一雄氏は主宰する「きもの三方よし研究会」は生産者を護る為にも、きもの業界も産地希望小売価格を表示し、消費者からの信用不安を防ぐべきであると発言。現況は難しいが、大島紬生産の立場からも将来的には実施すべきであると青年部の方々が賛同。

きもの愛好者からは「やはり大島紬は欲しい」との声は多いが、「価格が高価過ぎて手が出ない」と言う。確かにアンケート調査では、「一番欲しいきものは?」に対して、いつも上位に大島紬が入る。

同じ機屋の商品がA店では30万円、B店では50万円、C店では70万円と価格に大きな開きがある。これは大島紬に限ったことではないが、あまりにも開きがあり過ぎ、消費者から「きもの業界」への信用不安が広がっている。多少の開きは仕方ないにしても、これでは余りに酷すぎる。

生産者に充分な利益がなければ仕事は続かない。それに後継者問題もある。生産者保護と消費者の信頼復活を目指す必要があるのではないか。

中塚理事長が提唱する「きもの三方よし研究会」は生産者と消費者そして小売店の信用信頼を重点に置いている。将来的には生産者希望小売価格を全品目に広めたいと話された。

議題その二、紬による島興し。

これまで多くのイベントを組合や青年部が仕掛けて来たが、いずれも一過性で終わっている。その中でも、大島紬愛好家団体「紬んちゅの会」の実績は素晴らしい。きものイベント「和ナイト」これまでの開催が9回にもなった。地元の「きもの愛好家団体」が中心となって、奄美青年会議所、大島紬組合青年部が協力。年に二回ほど開催している。いつも大島紬姿の男女が60名から100名参加するそうです。夜7時開催、地元音楽家やゲストを呼んでの文化講演会、そして大島紬を中心にしての抽選会。実に盛りだくさんの内容とのこと。この「和ナイト」に中塚理事長の講演を依頼したことから、今回の島興しの話が生まれたそうです。

以前、中塚理事長が講演前に地元商店街を散策して聞いたことが、「この商店街に島外者、観光客が見受けられない。実際、観光客が歩くことはあまりないそうです。何故、商店街に買物に来ないのか。観光地でありながら、商店街としては具体的な対策を取っていないらしい。」とのこと。島の活性化は島外者、観光客が増えてこそと思う。

中塚理事長は茨城県真壁町の話や大分県杵築市の話を例え、具体的な島興しの提案をされた。それは「奄美まるごと きょら織り館」構想である。また、「織地成(オリジナル)奄美構想」とも言われた。織物で地元を成り立たせる構想 である。「奄美まるごと きょら織り館」構想は奄美市内商店街や地域商店の店内に最低1点の大島紬を展示する。それは新品の大島紬ではなく、各商店主の家族が持つ「タンスの中にある大島紬」。それに思い出を書き、一緒に展示する方法。以前、NPO きものを着る習慣をつくる協議会が行った「思い出きもの展」の島興し版である。一部の商店街だけではなく、島、群島にその輪を広げる。まさに島中まるごとの展示になる。それに基づき「きもの展示マップ」を作成、観光協会や市の観光課を通して島内外に広報活動を広める。観光協会のHPと連動し、どの地域の商店や宿泊施設に何を展示しているか一目瞭然に分かる仕組みにする。展示変えの度に、HPも更新。島中まるごと大島紬を見られる環境を創る。この方法は別に大島紬を購入するわけでもなく、自分たちが持つ思い出の大島紬を展示すれば良い。展示方法も至って簡単。

早速、翌日から市内商店では大島紬を展示、この構想が島全体に広がるのも時間の問題か。町興しや地域興しは費用を掛けるのではなく、「今ある町の財産、人々の財産」を用いることである。

また、インターネットを通して大島紬の標準価格を知らしめることも必要であろう。きもの業界全体に広がっている消費者からの信用不安を取り除く意味でも、目安ともなる「産地生産者希望小売価格」の適正価格表示も課題になるだろう。

多くの「きもの愛好者」「きもの初心者」が「きもの」を安心して購入出来る環境と気軽に着られる環境創りが、きもの業界が考え直さなければならない。販売企画も大事であるが、「きもの」は消費者に購入していただいてこそ生きる。産地生産者と消費者を考えた業界創りが急がれる。

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